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更新日:2017年3月10日

「損害保険トータルプランナー」と有識者の座談会を開催                ~元独立行政法人国民生活センター理事・丹野美絵子氏を招いて~                  

一般社団法人 日本損害保険協会(会長:北沢 利文)では、2017年1月25日(水)に、元独立行政法人

国民生活センター理事・丹野美絵子氏と当協会が認定する募集人資格の最高峰である「損害保険トータル

プランナー」の方を招き、座談会を開催しました。

当日は、主に「消費者が抱く損害保険代理店・募集人のイメージ」、「消費者にとって理想の損害保険代理店・

募集人」、「保険募集時の留意点やトラブル事例」、「「損害保険トータルプランナー」への期待や今後の役割」

の4点をテーマに意見交換を行いました。

 

 当日の様子を座談会録にまとめましたので、ぜひご覧ください。

 

◆出席者

 元独立行政法人国民生活センター理事

  丹野 美絵子 氏

 損害保険トータルプランナー
  ベスト・リブ保険企画株式会社 営業担当プランナー

  近末 潤 氏

 (以下、敬称略)

 損保協会 募集・研修サービス部長

   小峯 雅也

◆進行役

 損保協会 募集・研修サービス部企画業務グループリーダー

  柴田 文明

座談会録

~消費者が抱く損害保険代理店・募集人のイメージとは~

―柴田  はじめに、消費者が抱いている損害保険代理店・募集人のイメージとは、tanno

       どのようなものなのでしょうか。

丹野    一概に損害保険代理店のイメージを語るのは難しいですね。

       どのようなツール・店舗で加入したか、またどの分野の保険商品に

       加入したかで異なるのではないでしょうか。

       例えば、自動車保険に加入した場合はディーラーを、火災保険の

       場合は不動産事業者を思い浮かべますし、最近ではインター

       ネットを通じた保険加入もできますよね。

       消費者は損害保険代理店に対して、実に様々なイメージを抱いていると思います。

近末    まさにそのとおりだと思います。お客さまにとっては、損害保険は自動車や住宅など、何かと

       セットで入るものというイメージが強く、損害保険代理店を通じて保険に加入しているという意識

       は薄いのではないかと思います。

       そのような状況を踏まえ、当社では、募集人の権限明示を大切にしており、初めてのお客さまに

       対して、「○○保険会社の代理店××社の△△です」と名乗っています。

       これにより、お客さまに保険のプロから保険に加入しているというイメージを持ってもらうことが

       でき、損害保険代理店といえば、当社を思い浮かべてくださるようになります。

       その他にも、お客さまに対して当社の案内パンフレットをお渡しすることで、損害保険代理店の

       存在をアピールし、お客さまに対する情報提供を行っています。

―柴田  損害保険代理店・募集人に対して消費者が抱くイメージは様々ということですね。

小峯    損保協会としては、損害保険募集人は所定の試験に合格し、資格を取得した方ですので、社会的

       認知度・ステータスの向上を図っていきたいと考えています。

       その中でも「損害保険トータルプランナー」は損保協会が認定する募集人資格の最高峰であり、

       募集人としての更なる高みを目指してきた方々ですので、消費者に対して積極的にアピールして

       いきたいと考えています。

zadankai

~消費者にとって理想の損害保険代理店・募集人とは~

―柴田  次に、消費者にとって理想となる損害保険代理店とはどのようなものなのでしょうか。

丹野    消費者にとって、損害保険がそもそも非常に複雑で難しいため、契約内容を理解することが

       とても大変です。

       これだけインターネット社会になっているにも関わらず、今も損害保険の募集の主流は対面

       販売です。

       これは、保険のプロから説明を聞きたいし、プロに教えてもらって保険に加入したいという消費者

       の思いの表れでしょう。

       消費者は様々な不安・リスクを抱える中で、自身のニーズに合った保険を勧めてほしいし、納得

       して保険に加入するために、難しい保険について分かりやすく説明してほしいと思っています。

       消費者が求めるのは、保険に関する豊富な知識を有していることはもちろん、個々の消費者に

       合わせた形で、わかりやすく保険について教えてくれるプロフェッショナルです。

       また消費者は、加入しようとするときに最も保険に関心が高まるわけですから、その時に保険の

       基本の仕組みを教えてもらえれば、保険の基本知識を習得できます。

       さらに、保険加入時のみならず、加入後も積極的に情報提供を行う代理店が良い代理店だと

       思います。

       自分が加入している保険の補償内容を理解している消費者は必ずしも多くないので、その地域

       で地震や台風などの災害が発生した際はもちろん、日頃も代理店の方から声を掛けてくれると

       理想的です。

近末    丹野さんからお話のあった代理店からの声掛けを当社は重視しており、地域に密着した代理店

       であることを心掛けています。

       日頃からお客さまと密にコミュニケーションをとっていれば、いざ災害が発生しても、こちらから

       お客さまを訪ねたり、連絡をとったりすることが可能です。

       実際、東日本大震災の際には、お客さまに対して当社から積極的に連絡をとりました。

       当社のお客さまは東京在住ですが、家財を中心に被害があり、保険金のお支払いができたので、

       お客さまにも喜んでいただけました。chikasue

       また、昨年には改正保険業法の施行により、意向把握義務・

       情報提供義務が導入されるなど、募集人に求められる保険

       募集時の説明責任が大きくなっており、保険のプロフェッショ

       ナルとしてお客さまにとって最適な提案を行う必要があると

       考えています。

       私たちが保険のプロフェッショナルとして思い浮かべるリスクと、

       実際にお客さまが認識しているリスクには差があります。

       当社では、まずはその差をお客さまに説明することでお客さまに

       自身のリスクを認識していただき、お客さまの抱えるリスクを全て

       カバーできる提案を行ったうえで、どこまで保険でカバーするのかを納得感を持って決めて

       いただけるよう、説明することを心がけています。

       お客さまに納得して保険に加入いただくことで、仮に発生した損害を保険でカバーできなかった

       場合でもお客さまの期待を裏切ることは避けられるほか、トラブルに発展するおそれも少なく

       なります。

       保険は形の無い商品であり、特に損害保険は事故が発生しなければ保険金の支払いもあり

       ません。

       よく、保険に加入することで安心を買うといいますが、そこに納得感や満足感を持っていただく

       ためには、お客さまに対する丁寧かつ十分な説明が必要だと思います。それが募集人に求め

       られる大きな役割ではないでしょうか。

小峯    お二人にお話いただいたとおり、複雑な保険をお客さまが理解し、納得したうえで保険に加入

       できることが理想だと思います。

       改正保険業法の内容や、「顧客本位の業務運営に関する原則(案)」が取りまとめられたこと等

       を踏まえると、金融行政からもそのような損害保険代理店・募集人が求められていると感じてい

       ます。

       今後は、AI等の発展により保険募集の現場も大きく変化することが想定されますが、一方で、

       心のかよった対面販売に対する消費者のニーズも一定存続するものと思いますので、損害保険

       代理店・募集人の皆さまには、消費者の期待に応え続けていただきたいと思います。

       また、高齢社会の到来や巨大自然災害の発生等で、消費者の抱えるリスクが複雑化・多様化

       する中で、損害保険代理店には、より専門性の高いコンサルティング能力が求められるとともに、

       地域のリスクマネージャーとしての役割も期待されています。

       さらには、消費者がそのような代理店を選ぶことのできる環境が醸成されることが理想だと

       考えています。

~保険募集時の留意点やトラブル事例について~

―柴田   次に、丹野さんから、保険募集時の留意点やトラブル事例についてお話いただければと

       思います。

丹野    保険募集においてトラブルに発展する一番の原因は、相手に合った説明ができていないこと

       だと思います。

       典型的なケースでは、高齢者が傷害保険に加入し、骨折により入院したので保険金を請求した

       ところ、骨粗鬆症があるので減額すると言われたが、本人は病気を認識しておらず、加入時に

       持病により減額になる旨の説明もなかったために、トラブルになった事例があります。

       持病による減額の可能性については、保険募集の際に説明するべき事項ですが、顧客が高齢者

       の場合は、特に様々な可能性を予想して説明することが大切です。

       また、家財とともに50万円の腕時計が盗まれたため保険金を請求したところ、腕時計について

       は貴金属として明記物件の届出をしていなかったために保険金が支払われなかった事例があり

       ます。

       申込書には明記物件に関する説明を受けた旨の押印があるものの、顧客の記憶にはなく、

       腕時計が貴金属に該当するという説明を受けたこともなかったため、トラブルに発展してしまった

       わけです。

       単に商品の説明をするだけではなく、顧客が理解しているかに気を配りながら説明していれば、

       防げたトラブルかと思われます。

       保険に関する知識・経験に乏しい顧客が自ら自身のリスクに気付くことは難しいので、顧客との

       会話を通して、代理店側で顧客が抱えるリスクを予測し、一歩踏み込んだ説明を行う必要がある

       と思います。

       その顧客にとって何が必要かを見極め、消費者の期待を超えた提案ができること、それこそが

       プロに求められる役割ではないでしょうか。

―柴田   近末さんは、普段の業務の中で、トラブルにならないようにどのような工夫を行っているの

       でしょうか。

近末    ご高齢のお客さまのトラブル事例を紹介いただきましたが、当社では、ご高齢のお客さまで

       あれば、募集時に親族の方にも同席していただく、複数の募集人による保険募集を行う、複数の

       連絡先を把握しておくなどの対応により、トラブルの発生を防いでいます。

       また、未成年のお客さまが契約者となる際には、保護者の連絡先を把握し、契約内容を保護者

       にもお伝えすることで、安心して契約いただける取組みをしています。

       個々のお客さまに向き合った保険提案はとても重要であり、会話の中からお客さまの抱える

       新たなリスクに気付くことができ、先回りした提案につなげていくことが可能です。

       また、お客さまから喜ばれている当社の取組みとして、自動車保険の年齢条件変更について、

       お客さまが保険期間中に誕生日を迎えられる場合、当社からお客さまにご連絡し、保険料の割引

       につながる提案を行うケースがあります。

       継続のタイミングにだけご連絡するのではなく、お客さまの年齢や家族構成なども踏まえ、日頃

       から密な連絡を行うことも、保険提案の工夫の1つだと思います。

       丹野さんがご指摘された2つ目の事例については、お客さまに対して明記物件とは何かを分かり

       やすい言葉で説明したうえで、明記物件の有無をしっかりと確認していれば防げたと思います。

       保険加入時の説明は、保険で何が補償されるという説明だけではなく、免責になる場合や、

       支払い時の減額等の可能性についても説明することが重要です。komine

       また、トラブルを防ぐためには、単なる説明ではなく、お客さまが

       理解し、納得できる説明を行うことが重要だと思います。

小峯    損保協会としては、「募集コンプライアンスガイド」や「高齢者に

       対する保険募集のガイドライン」などを作成し、募集品質向上や

       トラブル防止に努めるともに、「損害保険トータルプランナー」の

       周知・魅力向上を図り、挑戦する募集人の数を増やしていくこと

       で、よりよい募集環境を整えていきたいと考えています。 

~「損害保険トータルプランナー」への期待や今後の役割について~

―柴田   これまでのお話を踏まえ、丹野さん、小峯さんが「損害保険トータルプランナー」に期待することは

       何でしょうか。

丹野    来店型ショップの台頭など昨今の募集環境の変化を踏まえ、消費者の中で、保険は説明を

       受けてしっかり理解した上で加入するものというイメージに少しずつ変わってきていると

       感じます。

       一方で、消費者は、どこの代理店から保険に加入しても同じだと思っており、説明力や取得

       している資格に違いがあることを知らないのが現状ですし、どこの代理店にいけばプロフェッ

       ショナルに出合えるのかも分かりません。

       「損害保険トータルプランナー」は、損害保険に関する知識やコンサルティングスキルを修得し、

       募集人としての誇りを持って働いている保険募集のプロフェッショナルだと思いますので、消費者

       がそのようなプロフェッショナルと出会う機会を増やすためにも、より多くの「損害保険トータル

       プランナー」が誕生することを期待しています。

       また、「損害保険トータルプランナー」の皆さまには、自身の能力を発揮し、顧客の立場に立った

       保険提案をしていただくこと期待しています。

小峯    消費者にとって、損害保険代理店・募集人は、保険について直接会って話すことができる、最も

       身近な存在です。

       募集人の皆さまには、お客さまに対して心のかよったコンサルティングを行い、損害保険のみ

       ならず防災・減災に関する教育・啓発を行っていただくことを期待しています。

       その中でも「損害保険トータルプランナー」の皆さまには、損保協会が認定する最高峰資格の

       取得者として全国約200万人の募集人の範となっていただくことを期待しています。

       また、「損害保険トータルプランナー」の認定を取得していない周囲の募集人の方にも、挑戦を

       呼びかけていただきたいと思います。

―柴田   お二人の話を受け、今後「損害保険トータルプランナー」として果たしていきたい役割について、

       近末さん、お話ください。

近末    私は、お客さまにとって、何かあったときには近末さんに聞いてみようと思っていただける存在

       になりたいと思っています。

       お客さまから信頼していただくために、日々勉強し、保険に関する知識を修得するたことは

       もちろんですが、修得した知識を元に、常にこちらからお客さまに対して働きかけを行って

       いきたいと考えています。

       いかにお客さまの役に立てるかという視点で考え、行動するshibata

       ことで、お客さまの安心・安全をお守りし、募集人としての使命

       ・役割を果たしていきたいと思います。

―柴田   今後も、「損害保険トータルプランナー」としてご活躍いただき、

       募集人のリーダーとして、他の募集人をリードしていただくこと

       を期待しています。

       本日はありがとうございました。